済州島の世界遺産「漢拏山(ハルラサン)」登山- チェジュ島観光のおすすめスポット
2015年11月22日
韓国のリゾート地である済州島の中心にそびえ立つ漢拏山(ハルラ山 / 한라산)は、高さ1950mの韓国で最も高い山です。手つかずの自然を残す済州島を象徴するスポットとして知られています。
四季折々の自然の美しさを楽しむため、一年中観光客が絶えることがありません。
漢拏山の登山は、初心者でも気軽にトレッキングを楽しむことができるコースから、頂上を目指す本格的な登山コースまで、旅の日程や体力にあわせてコースを選ぶことができます。
韓国最高峰で韓国三大霊山にも数えられる漢拏山(ハルラ山)は様々な植生分布を形成しています。
学術的価値が非常に高く、動植物の宝庫として2002年に世界生物圏保全地区に指定され、2007年に「済州の火山島と溶岩洞窟」として韓国初の世界自然遺産に登録されました。
2010年には世界ジオパークに登録され、ユネスコが運営する自然環境三部門の3冠の評価を得ています。
世界遺産の自然豊かな山は、平地とはまた趣が異なる美しい風景なので、済州島観光の際は、ぜひ登山に挑戦してみてはいかがでしょうか?
ここでは漢拏山の魅力と登山コースについて詳しく紹介させていただきます。
漢拏山(ハルラ山 / 한라산)とは?
漢拏山は一帯が国立公園に指定(1970年)されており、また、韓国の天然記念物第182号として天然保護区域となっています。
2007年には、「済州の火山島と溶岩洞窟群」の主要部分として、城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)などと同じくユネスコの世界遺産にも登録されました。
周囲四方には土赤岳、砂羅岳、城板岳、御乗生岳など、360個のオルム(오름)と呼ばれる側火山が形成されており、最終噴火は11世紀初頭(高麗時代)の1007年であると見られています。
緩やかに傾斜する斜面を持ち、底面積の広い火山である典型的な楯状火山(たてじょうかざん)です。
プレートの衝突する日本列島と異なり、韓国には火山が少なく、主なものは漢拏山と鬱陵島のみです(北朝鮮には白頭山があります)。
「天の川を掴む事が出来るくらい高い山」という意味で「瀛州山(ヨンジュサン)」とも呼ばれており、金剛山(クムガンサン、금강산 )、智異山(チリサン、지리산)と合わせて、韓国の三神山とも称されています。
漢拏山(ハルラ山)登山 – トレッキングコース
漢拏山(ハルラ山)には見どころがたくさんあり、初夏のゲンカイツツジやオンツツジが咲く時期は中腹がピンクの花で覆われ、また、秋の紅葉も美しいため、多くの登山客が訪れます。
冬の漢拏山は真っ白い銀世界に包まれ、まるで雪国のようにキラキラと輝く綺麗な雪景色があたり一面に広がっています。
漢拏山の登山は長時間掛かるコースから、手軽に登れるコースまであり、宿泊先からの距離や登頂時間などを考慮してコースを選んでください。季節やコースごとに様々な景観を楽しむことができます。
現在、自然保護のため、東部の一部コースを除いて、頂上部の立ち入りは禁止されています。また、西北壁、南壁への立ち入りも禁止されています。
以前は入山料が徴収されていまいしたが、世界遺産登録後は無料になりました。
漢拏山(ハルラ山)には主に、整備されている5つの登山路(トレッキングコース)があります。
- 城板岳(ソンパナク / 성판악)登山コース
- 観音寺(クァヌンサ / 관음사)登山コース
- 御里牧(オリモク / 어리목)登山コース
- 霊室(ヨンシル / 영실)登山コース
- トンネコ(돈내코)登山コース
城板岳コース、観音寺コースの2つは火口脇の東稜頂上まで行くことができ、互いに通じています。
なお、この東稜頂上の標高は約1,920mで、漢拏山の最高地点ではありません。
最高地点の三角点は西稜にありますが、現在は一般登山者の立ち入りは禁止されています。
残りの御里牧コース、霊室コースはこれより短く、トンネコ登山コースは西帰浦市側から登れ、互いに通じています。しかし、いずれも西北壁、南壁が通行禁止のため、海抜約1,700m地点までしか登ることができません。
コースによっては距離が長く暗くなると危険なため、入山時間が決められています。
また、夜間登山ならびに山中での野営等は禁じられており、日没前に完全下山完了できるように、季節により時間が異なります。また、火気の使用も禁じられています。
途中の待避所で12時前後になるとそれ以上は登ることができず、東稜頂上では14時前後になると下山が求められます。
漢拏山国立公園では日帰りの登山を原則とし、日没までに下山するよう季節ごとに入山時間を定め、統制しています。
統制時間はその日によって異なりますので、余裕をもって入山し、時間を計算しながら登山するようにしてください。
登山路や案内板が大変良く整備されており、待避所もあるため、軽装で登る観光客も多いのですが、急な気象変化に備えて、ある程度の装備はしていきましょう。
特に11月から4月は山頂部で氷雪に遭う可能性がありますので、アイゼンが必携となります。
頂上には白鹿潭(ペンノクタム / 백록담)という火口湖があります。その昔、神や仙人が空から降りてきて白鹿に乗って遊んだと言われています。
東稜頂上に建つ「白鹿譚」の石碑を入れて自分を撮影した証拠写真を、登山口にある国立公園事務所に持っていって見せると、1,000ウォンで公式登頂証明書を発行してくれます。
漢拏山(ハルラ山)の登山途中はゴミ箱などはありませんので、美しい自然を守るため、ゴミは必ず各自で持ち帰りましょう。
城板岳コース(片道9.6km)
城板岳(ソンパナク / 성판악)登山路は、東から東稜頂上へ向かうコースです。
城板岳休憩所→(3.5km・1時間20分)→ソク畑→(2.1km・40分)→沙羅岳→(1.7km・1時間)→つつじ畑→(2.3km・1時間30分)→頂上・白鹿譚
登りコースタイム4時間半(片道9.6km)。
コース途中に往復40分の沙羅岳(サラオルム)展望台があり、火口湖と済州島の南部が眺望できます。
登山口まで路線バスが利用しやすく、傾斜が緩く、板階段などが整備されたコースであるが、長丁場なので、歩き切るには忍耐力が必要です。
入り口に食堂、途中のつつじ畑の休憩所では、水場、カップ麺や飲み物を扱う売店もあるため、最も多くの登山客が利用します。
済州市外バスターミナルから5.16中文高速化線西帰浦市外バスターミナル行きバス(6時から21時の間多数運行)で約30分の城板岳下車すぐが登山口です。
バス:
済州市→城板岳 所要時間36分
西帰浦→城板岳 所要時間38分
観音寺コース(片道8.7km)
観音寺(クァヌムサ / 관음사)登山路は、北から東稜頂上へ向かうコースです。
※観音寺(クァヌンサ)コース(片道8.7km)は、山道が崩れ一部コース通行禁止となっっています。(2016年復旧予定)。
観音寺案内所→(3.2km・1時間)→耽羅渓谷→(1.7km・1時間30分)→ケミモッ→(1.9km・1時間)→ヨンジンガッ→(1.9km・1時間30分)→頂上・白鹿譚
登りコースタイム5時間(片道8.7km)。
登山者は、城板岳登山路と比べると比較的少ないです。登山口にはキャンプ場やコンビニがあります。登山路は良く整備されていて歩きやすいですが、傾斜がきつく、急な石段や木製階段が続く箇所が多いです。
途中で漢拏山で一番大きい渓谷である耽羅(たんら/탐라)渓谷を渡った後、見通しのきかない尾根をひたすら登るのがつらいでが、尾根を登り切った標高約1,500m地点に三角峰避難小屋が建っています。
そこからは、北壁の勇壮な景色を眺めながらの登りとなり、静かでダイナミックな登山を楽しめます。
登山口までのバスは第二・第三土曜日と日曜日にのみ明道岩から東門、市庁などを経由する済州市内バス1号路線が経由して運行されています。
市内中心部から17kmほどなのでタクシー利用もしやすく、下山客待ちのタクシーも常駐しています。ただし、メーターは使わないため、値段を交渉の必要があり、済州市内まで1万5千ウォン程度です。
また、1117道路を50分間ほど歩けば、城板岳コースと同じ5.16中文高速化線のバス(済州医療院または山川壇バス停)も利用できます。
御里牧コース(片道4.7km)
御里牧(オリモク / 어리목)登山路は、北西からウィッセオルム(윗세오름)山小屋(海抜1,700m地点)までのコースです。
御里牧広場→(2.4km・1時間)→サジェビ丘→(0.8km・30分)→万歳丘→(1.5km・30分)→ウィッセオルム
登りコースタイム2時間(片道4.7km)。
南壁は通行禁止のため頂上には行けず、霊室登山路、トンネコ登山路と接続しています。
サジェビ丘まで急な坂を登った後、稜線をたどるコースのため、漢拏山の眺望はとても良いです。
登山口までのバスは、済州市外バスターミナルから1100道路線中文サゴリ行きバスで御里牧まで約30分です。(夏は6時半から16時、冬は8時から15時運行、約1時間に1本。)
登山口の御里牧広場は、片道30分強で登れ、漢拏山を眺望できる御乗生岳(オスンセンアク、어승생악。標高1,169m)への登山路(1.3km)入り口にもなっているため、観光バスのツアーで訪れる観光客も多いです。
バス:
済州市→御里牧入口 所要時間35分
中文→御里牧入口 所要時間45分
霊室コース(片道3.7km)
霊室(ヨンシル / 영실)登山路は、西南からウィッセオルム山小屋までのコースです。
霊室休憩所→(1.5km・1時間)→屏風岩→(2.2km・30分)→ウィッセオルム
登りコースタイム1時間30分(片道3.7km)。
頂上には行けず、御里牧登山路、トンネコ登山路と接続しています。
途中には溶岩が独特な風貌見せる霊室奇岩(五百羅漢)があり漢拏山の神秘を味わえます。
御里牧登山路と同じ1100道路中文サゴリ行きバスを利用する場合は、霊室入口(ヨンシルイプク、영실입구)バス停から登山事務所までさらに1時間弱かかります。
タクシー等の場合、登山事務所より先の駐車場まで入っていけるので、コースタイムを短縮できます。
バス:
済州市→霊室 所要時間55分
中文→霊室 所要時間25分
トンネコ登山コース(片道7.0km)
トンネコ(돈내코)登山路は、東南から南壁分岐点までのコースです。
登りコースタイム3時間30分(片道7.0km)。
頂上には行けず、御里牧登山路、霊室登山路と接続しています。
(2009年12月まで約15年間閉鎖されていました。)
さらに2.1km、1時間でウィッセオルム山小屋まで行けます。
西帰浦市トンネコ遊園地の上流に位置した探訪案内所(標高500m)から始まり,ソグンムルトン、サルチェギド、ピョンゲ・ベースキャンプ(標高1450m)を通り南壁分岐点(標高1600m)まで続きます。
探訪案内所(標高500m)からピョンゲ・ベースキャンプ(標高1450m)まで緩やかな登り坂が続き、ピョンゲ・ベースキャンプから南壁分岐点(標高1600m)まではほとんど平坦地形で漢拏山白鹿潭の火口壁の雄壮な姿を見ることができます。
ウィッセオルムと繋がっている南壁循環路に沿って行くと御里牧登山路と霊室登山路から下山できます。
トンネコ登山コースは湧き水のない場所なので、必ず多めの飲み水を持参しましょう。
そして、南壁分岐点一帯は気象の変化が激しい場所なので指定された登山コースを利用し、個人よりもグループ登山をするようにしてください。
5.16道路線バスを使う場合は、南西橋(ナムソキョ、남서교)または西帰浦産業科学高等学校バス停からさらに1時間ほど余計にかかります。
登山装備と服装の事前チェックと注意点!
日帰りの登山ができるコースですが、山は気象の変化が激しいので十分注意してください。
登山装備
- リュック
30Lが目安で雨天用にザックカバーも用意しましょう。 - 雨具
山の天気は変わりやすいので必ず持参してください。上下が別になっているセパレートタイプが脱着便利でオススメです。 - トレッキングポール
いわゆるステッキですが、膝への負担を軽減してくれます。軽量のものを選んで持っておくと下山の時も安心です。 - 着替え
汗をかいたり、雨に濡れたりするので持っていくと安心です。 - ヘッドライト
早朝や夜明け前に登り始めますので、あると便利です。 - 軽食類
キンパ(海苔巻)やお菓子などかさばらない程度に好きなものを持っていってください。チョコレートなどがあると、疲れたときに疲労回復のエネルギー源として役立ちます。 - 飲み物
500mlを2~3本を目安に持っていってください。 - その他
時計、タオル、ビニール袋、カメラ、携帯電話、ティッシュなど。
登山の服装
- 帽子
- 手袋
- Tシャツ
- ズボン
- 靴下
- 上着
- 下着
- スパッツ
- 靴
帽子はハット型、キャップ型どちらでも大丈夫です。日焼け防止のため必ず持っていきましょう。ズボンは伸縮性のあるものを選んでください。Gパンは伸縮性がなく汗の乾きが悪いので避けてください。
靴は登山靴(トレッキングシューズ)が良いですが、靴底がしっかりしたハイカットの足首まで保護できるものがオススメです。靴下はマメや靴ずれを防ぐために厚手のものを履いていってください。
夏は暑いからといっても、頂上部分は寒いこともありますので、事前準備を怠らないようにしましょう。
漢拏山(ハルラ山)の登山はいい経験となり、この上ない達成感を味わうことのできる旅の最高の思い出になると思います。
韓国の済州島に来たら、ぜひ四季折々の大自然を満喫しながら、無理をしないよう漢拏山(ハルラ山)の登山を楽しんでください。
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漢拏山(ハルラ山 / 한라산)の情報
漢拏山国立公園(한라산국립공원)
住所:
済州特別自治道 済州市 海安洞220-1
(제주특별자치도 제주시 해안동220-1)
料金:無料
管理者:
済州道 漢拏山国立公園御里牧(オリモク / 어리목)事務室
電話番号:
漢拏山国立公園:+82-64-713-9950~2
城板岳事務室:+82-64-725-9950
霊室事務室:+82-64-747-9950
観音寺地区案内所:+82-64-756-9950
トンネコ:+82-64-710-6920~3
休業日:悪天候時
営業時間:
季節ごと、コースごとに異なります。時期により入山制限、下山統制あり。
入山可能時間
春季・秋季(3-4月、9-10月)5:30、夏季(5-8月)5:00、冬季(1-2月、11-12月) 6:00
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